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矢次真也の数学コラム:数学と未来~シニアライフを豊かにする予測と計画の数理

矢次真也の数学コラム:数学と未来~シニアライフを豊かにする予測と計画の数理 矢次真也の数学コラム:数学と未来~シニアライフを豊かにする予測と計画の数理 📊 未来予測と計画には確率論や最適化など様々な数学的手法が応用できる 🧮 高齢期の人生設計には財務計画、健康管理、時間配分の数理が役立つ 🔍 不確実性を受け入れつつ確率的思考で最適な意思決定をすることが重要 はじめに こんにちは、矢次真也です。65歳で定年退職後、数学の面白さを伝えるブログを続けています。前回は「数学と思い出」について書きましたが、今回は「数学と未来」というテーマで、これからの人生設計に役立つ数学的アプローチについて考えてみたいと思います。 先日、古い友人と再会した際、「矢次さんはこの先10年、何をして過ごすつもりなの?」と尋ねられました。その質問に明確に答えられなかった自分に少し驚き、「退職後の人生設計をもっと具体的に考えてみよう」と思い立ったのです。エンジニアとしての習慣から、私はまず紙とペンを取り、数学的なアプローチで将来を考え始めました。 実は未来の計画や予測には、確率論、最適化、成長曲線など、様々な数学的概念が活用できます。特に私たち高齢者にとって、限られた資源(時間、健康、資金など)を最適に配分することは重要な課題です。今回は、この「数学と未来」の関係について探りながら、シニアライフをより豊かにするための数理的アプローチをご紹介したいと思います。 第1章:未来予測の数学 確率論と不確実性の受容 未来を考える上で最も基本的な数学的概念は「確率」です。将来は本質的に不確実ですが、その不確実性を数値化することで、より合理的な意思決定が可能になります。 私は退職直後、健康状態を考慮した「余命の確率分布」について考えてみました。平均寿命や家族歴から推測すると、私の場合「85歳まで生きる確率が約50%、90歳以上になる確率が約25%」という大まかな数字が得られます。この確率...

矢次真也の数学コラム:数学と思い出~記憶のパターンと時間の数理

矢次真也の数学コラム:数学と思い出~記憶のパターンと時間の数理 矢次真也の数学コラム:数学と思い出~記憶のパターンと時間の数理 📊 人生の記憶にはパターンがあり、数学的な視点で整理することができる 🧮 時間感覚には対数的なスケールがあり、年齢とともに時間の感じ方が変化する 🔍 高齢者にとって思い出の数学的整理は認知機能維持と人生の統合に役立つ はじめに こんにちは、矢次真也です。65歳で定年退職後、数学の面白さを伝えるブログを続けています。前回は「数学と趣味」について書きましたが、今回は「数学と思い出」というテーマで、記憶や時間の感じ方に潜む数学的な側面について考えてみたいと思います。 先日、古いアルバムを整理していると、40年以上前の大学時代の写真が出てきました。友人たちと談笑する若かりし日の自分を見ながら、「あれから本当に長い時間が経ったのだな」と感慨深く思いました。しかし同時に、「なぜ遠い過去の出来事なのに、まるで昨日のことのように鮮明に思い出せるのだろう」という不思議さも感じたのです。 実は、私たちの記憶や時間感覚には数学的なパターンや法則性が隠れています。記憶の定着と忘却のカーブ、人生の転機となる出来事の分布、時間の主観的な流れ方...これらはいずれも数学的モデルで表現できるのです。今回は、この「数学と思い出」の意外な関係について探っていきましょう。特に私たち高齢者にとって、長い人生の記憶を数学的視点で整理することの意義についても考えてみたいと思います。 第1章:記憶と忘却のカーブ エビングハウスの忘却曲線 記憶と忘却のメカニズムは、19世紀のドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスによって数学的にモデル化されました。彼の「忘却曲線」によれば、新しい情報を学んだ後、私たちの記憶は時間の経過とともに指数関数的に減衰していきます。 この忘却曲線は R = e^(-t/S) という数式で表されます(Rは記憶の残存率、tは時間、Sは記憶...

矢次真也の数学コラム:数学と趣味~余暇を豊かにする数理の魅力

矢次真也の数学コラム:数学と趣味~余暇を豊かにする数理の魅力 矢次真也の数学コラム:数学と趣味~余暇を豊かにする数理の魅力 📊 将棋や囲碁、パズル、音楽など多くの趣味には数学的な要素が潜んでいる 🧮 趣味に数学的視点を取り入れることで新たな楽しみ方や上達のヒントが見つかる 🔍 高齢者にとって数学的な要素を含む趣味は認知機能維持にも効果的である はじめに こんにちは、矢次真也です。65歳で定年退職後、数学の面白さを伝えるブログを続けています。前回は「数学と健康管理」について書きましたが、今回は「数学と趣味」というテーマで、私たちの余暇活動に潜む数学的要素について考えてみたいと思います。 退職してから時間に余裕ができた私は、いくつかの趣味に熱中するようになりました。将棋、パズル、折り紙、写真撮影…。それらの活動に取り組むうちに気づいたのは、どの趣味にも何らかの数学的な要素が含まれているということでした。そして、その数学的側面に注目することで、趣味の楽しみ方がさらに深まることも実感しています。 実は多くの趣味には、パターン認識、論理的思考、空間認識、確率計算など、様々な数学的要素が隠れています。今回は、この「数学と趣味」の意外な関係性について探っていきましょう。特に私たち高齢者にとって、数学的思考を刺激する趣味活動がもたらす認知機能維持の効果についても触れていきたいと思います。 第1章:ボードゲームの数理 将棋と組合せ爆発 将棋や囲碁、チェスといったボードゲームは、まさに「応用数学」の実践といえます。特に将棋は「組合せ爆発」という数学的現象の代表例です。 将棋の可能な局面数は10の220乗以上と推定されています。これは宇宙の原子の数(約10の80乗)をはるかに超える数です。この膨大な可能性の中から最善手を見つける過程で、私たちは無意識のうちに「ゲーム木探索」や「評価関数」といった数学的概念を用いています。私は週に一度、地元の将棋クラブで対局を楽...

矢次真也の数学コラム:数学とガーデニング~庭づくりに活かす数理の知恵

矢次真也の数学コラム:数学とガーデニング~庭づくりに活かす数理の知恵 矢次真也の数学コラム:数学とガーデニング~庭づくりに活かす数理の知恵 📊 庭のデザインや植物の配置には幾何学や最適化の数学が応用できる 🧮 植物の成長パターンや水やり計画には数理モデルが役立つ 🔍 高齢者の体力を考慮した効率的なガーデニングには数学的思考が重要 はじめに こんにちは、矢次真也です。65歳で定年退職後、数学の面白さを伝えるブログを続けています。前回は「数学と料理」について書きましたが、今回は「数学とガーデニング」というテーマで、庭づくりや植物の育成に役立つ数学的アプローチについて考えてみたいと思います。 退職後、私が新たに始めた趣味の一つがガーデニングです。自宅の小さな庭と、いくつかの鉢植えを管理するようになって気づいたのは、植物の世界も数学の法則に支配されているということでした。植物の成長パターン、効率的な水やり、病害虫対策、そして庭全体のデザイン…これらすべてに数学的な視点を取り入れることで、より効果的で美しいガーデニングが可能になるのです。 今回は、この「数学とガーデニング」の意外な関係について探っていきましょう。特に私たち高齢者にとって、体力を考慮した効率的なガーデニングの方法や、自然の数理に触れる喜びについてお伝えできればと思います。 第1章:庭のデザインと幾何学 庭の配置と黄金比 庭のデザインで最も基本的な要素の一つが、植物や装飾の「配置」です。ここで役立つのが、美しさの基準とされる「黄金比」や「フィボナッチ数列」といった数学的概念です。 私の小さな庭では、背の高い植物と低い植物の比率を約1:1.6(黄金比に近い値)に設定し、視覚的な調和を生み出すよう心がけています。また、花壇の中の花の数も、フィボナッチ数列(1, 1, 2, 3, 5, 8, 13...)に従って配置すると、不思議と自然な美しさが生まれます。例えば、中心に1本のバラ、その周り...

矢次真也の数学コラム:数学と料理~キッチンの中の数理科学

矢次真也の数学コラム:数学と料理~キッチンの中の数理科学 矢次真也の数学コラム:数学と料理~キッチンの中の数理科学 📊 料理には計量、比率、温度管理など様々な数学的要素が含まれている 🧮 レシピの調整や最適化は、実は応用数学の一種である 🔍 数学的視点で料理を捉えると、高齢者でも失敗の少ない調理が可能になる はじめに こんにちは、矢次真也です。65歳で定年退職後、数学の面白さを伝えるブログを続けています。前回は「数学と旅行」について書きましたが、今回は「数学と料理」というテーマで、キッチンの中に潜む数理科学について考えてみたいと思います。 退職後、家事を妻と分担するようになった私は、料理にも挑戦するようになりました。最初はレシピ通りに作るだけでしたが、次第に「なぜこの配分なのか」「なぜこの温度なのか」と考えるようになり、ふと気づきました。料理とは、実は化学反応と物理変化の組み合わせであり、そこには多くの数学的要素が隠れているのだと。 実際、計量、比率、温度、時間、熱伝導など、料理には様々な数理的概念が関わっています。今回は、この「数学と料理」の意外な関係について探っていきましょう。特に私たち高齢者にとって、感覚だけに頼らず数学的アプローチで料理を捉えることの利点をご紹介したいと思います。 第1章:計量と比率の数学 レシピの黄金比 多くの定番料理には、材料の「黄金比」とも言える最適な配合比が存在します。例えば、基本の天ぷら衣は「小麦粉:水=2:3」、シンプルなショートケーキは「小麦粉:砂糖:バター=3:2:2」といった具合です。 私が特に関心を持ったのは日本の「だし」の取り方です。昆布と鰹節の量、水の量、浸す時間、温度など、多くの変数が絡み合っています。試行錯誤の末、我が家の基本だしの配合は「水1リットルに対して昆布10cm×10cm、鰹節20g」に落ち着きました。この比率を基準に、用途に応じて調整しています。エンジニア時代に実験データか...

矢次真也の数学コラム:数学と旅行~旅の楽しみを広げる数理の視点

矢次真也の数学コラム:数学と旅行~旅の楽しみを広げる数理の視点 矢次真也の数学コラム:数学と旅行~旅の楽しみを広げる数理の視点 📊 旅行計画の最適化から地図の読み方まで、旅には様々な数学が関わっている 🧮 高齢者の旅行では体力と予算の制約を考慮した数理的計画が特に重要 🔍 数学的視点で旅を眺めると、新たな発見と楽しみが広がる はじめに こんにちは、矢次真也です。65歳で定年退職後、数学の面白さを伝えるブログを続けています。前回は「数学と経済」について書きましたが、今回は「数学と旅行」というテーマで、旅の楽しみと数学の関係について考えてみたいと思います。 退職後、時間的余裕ができた私は、妻と一緒に国内外の旅行を楽しむようになりました。先日、京都への旅行を計画していた時のこと。「限られた日数でできるだけ多くの名所を効率よく回るには?」と考えていると、ふと気づきました。これは数学でいう「巡回セールスマン問題」そのものではないか、と。 実は旅行には、ルート最適化、時間管理、予算配分、地図の読み方など、様々な場面で数学が関わっています。今回は、この「数学と旅行」の意外な関係について探っていきましょう。特に私たち高齢者にとって、体力と予算の制約の中で旅を最大限楽しむための数学的アプローチをご紹介したいと思います。 第1章:旅のルート計画と最適化問題 巡回セールスマン問題と観光計画 複数の観光地を効率よく回るルート計画は、数学でいう「巡回セールスマン問題」に似ています。これは「すべての都市を一度ずつ訪問し、出発地に戻ってくる最短ルートを見つける」という有名な最適化問題です。 私は京都旅行の際、この考え方を応用しました。地図上に訪問したい寺社や名所をプロットし、それらの間の移動時間を調べ、最も効率的な回り方を考えたのです。完全に最適解を求めるのは難しいですが、「近い場所はまとめて回る」「移動に時間がかかる場所は一日の最初に訪れる」などの原則を適用すること...

矢次真也の数学コラム:数学と経済~お金と暮らしを支える数理

矢次真也の数学コラム:数学と経済~お金と暮らしを支える数理 矢次真也の数学コラム:数学と経済~お金と暮らしを支える数理 📊 経済学は数学的モデルや統計手法を駆使して社会現象を分析する学問である 🧮 個人の家計管理から年金設計まで、日常の経済生活にも数学は不可欠である 🔍 高齢者にとって特に重要な資産運用や相続計画にも数学的思考が役立つ はじめに こんにちは、矢次真也です。65歳で定年退職後、数学の面白さを伝えるブログを続けています。前回は「数学と健康」について書きましたが、今回は「数学と経済」というテーマで、私たちの経済生活と数学の関係について考えてみたいと思います。 先日、退職金の運用について金融アドバイザーと相談する機会がありました。複利計算、インフレ率、リスクとリターンの関係など、様々な数学的概念が飛び交う中で、改めて感じたのは「経済と数学は切っても切れない関係にある」ということです。 実際、現代の経済学は高度に数学化されており、マクロ経済モデルから株価予測まで、様々な経済現象が数式で表現されています。しかしより身近なレベルでも、私たち一人ひとりの家計管理、ローン計算、資産運用、年金設計など、日常の経済生活における意思決定には数学的思考が欠かせません。 今回は、この「数学と経済」の深い関係について探っていきましょう。特に私たち高齢者にとって関心の高い老後の資金計画や資産運用を中心に、数学がどのように私たちの経済生活をサポートしてくれるかを見ていきたいと思います。 第1章:基本的な経済数学 複利の魔法 経済における最も基本的かつ重要な数学概念の一つが「複利」です。 元本に利息が加わり、その利息にもさらに利息がつくという複利の効果は、時間とともに驚くべき力を発揮します。数学的には、n年後の金額は「元本×(1+利率)^n」という指数関数で表されます。アインシュタインが「複利は人類最大の発明」と呼んだという逸話もあるほど...

矢次真也の数学コラム:数学と健康~私たちの命と暮らしを支える数理

矢次真也の数学コラム:数学と健康~私たちの命と暮らしを支える数理 矢次真也の数学コラム:数学と健康~私たちの命と暮らしを支える数理 📊 現代医療は数学的モデルやアルゴリズムによって大きく進化している 🧮 健康管理においても統計学や確率論は日常的に活用されている 🔍 高齢者にとって特に重要な健康寿命の延伸にも数学的思考が役立つ はじめに こんにちは、矢次真也です。65歳で定年退職後、数学の面白さを伝えるブログを続けています。前回は「数学と自然」について書きましたが、今回は「数学と健康」というテーマで、私たちの心身の健康と数学の関係について考えてみたいと思います。 先日、定期健康診断の結果を受け取ったときのこと。検査値の一覧表を見ながら、「基準値」との比較や様々な数値の意味について医師から説明を受けていると、ふと気づきました。健康管理とは、ある意味で「身体という複雑なシステムの数学的モデリング」なのかもしれないと。 実際、現代の医療や健康科学は、数学的な考え方や手法に大きく支えられています。血圧や血糖値の測定から始まり、MRIの画像解析、新薬の開発、感染症の流行予測に至るまで、医療と健康に関わるあらゆる場面で数学が活用されているのです。 今回は、この「数学と健康」の深い関係について探っていきましょう。特に私たち高齢者にとって身近な健康管理の話題を中心に、数学がどのように私たちの命と暮らしを支えているのかを見ていきたいと思います。 第1章:医療診断と数学 検査値の統計学 健康診断の結果表に記載される「基準値」は、統計学に基づいて設定されています。 一般に、健康な人々のデータを集め、その分布から標準偏差を使って「正常範囲」が決められます。例えば、平均値から標準偏差の2倍の範囲内(全体の約95%をカバー)を基準値とすることが多いのです。 私は毎年の健康診断を受ける際、このような統計学的な見方を意識するようにし...

矢次真也の数学コラム:数学と自然~身の回りに潜む数理の法則

矢次真也の数学コラム:数学と自然~身の回りに潜む数理の法則 矢次真也の数学コラム:数学と自然~身の回りに潜む数理の法則 📊 自然界には黄金比、フィボナッチ数列、フラクタルなど様々な数学的パターンが潜んでいる 🧮 植物の葉の配置、動物の体のパターン、天体の動きには精密な数学的法則が見られる 🔍 高齢者の自然観察は、数学的思考を活性化し心身の健康にも良い影響を与える はじめに こんにちは、矢次真也です。65歳で定年退職後、数学の面白さを伝えるブログを続けています。前回は「数学とパズル」について書きましたが、今回は「数学と自然」というテーマで、私たちの身の回りに潜む数理の法則について考えてみたいと思います。 先日、近所の公園を孫と散歩していたときのこと。彼がひまわりの花を指さして「おじいちゃん、この花の真ん中の模様、なんかきれいな並び方してるね」と言いました。その観察眼の鋭さに感心しながら、「それはね、フィボナッチ数列という特別な数の並びになっているんだよ」と説明すると、彼は興味深そうに花の中心部を見つめていました。 実は自然界は数学のパターンで満ちています。植物の葉の配置、貝殻の螺旋、雪の結晶の対称性、動物の体表模様、さらには銀河の形に至るまで、自然は数学的な法則に従って形作られているのです。ガリレオ・ガリレイが「自然という書物は数学の言葉で書かれている」と述べたように、数学は自然を理解するための言語と言えるでしょう。 今回は、この「数学と自然」の深い関係について探っていきましょう。日常見過ごしがちな風景の中に、美しい数学的パターンを発見する喜びを共有できれば幸いです。特に私たち高齢者にとって、自然の中の数学的秩序を観察することは、脳の活性化と心の豊かさをもたらす素晴らしい活動になると思います。 第1章:植物に見られる数学的パターン フィボナッチ数列と植物の成長 植物の世界には、フィボナッチ数列(1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 2...

矢次真也の数学コラム:数学とパズル~遊びながら磨く論理的思考力

矢次真也の数学コラム:数学とパズル~遊びながら磨く論理的思考力 矢次真也の数学コラム:数学とパズル~遊びながら磨く論理的思考力 📊 数学パズルは娯楽の中に秘められた深い数学的原理を体験する窓口である 🧮 論理パズル、図形パズル、数字パズルなど様々な種類があり、それぞれ異なる数学分野と関連している 🔍 高齢者がパズルを解くことは認知機能維持に効果的であり、脳の若さを保つ秘訣である はじめに こんにちは、矢次真也です。65歳で定年退職後、数学の面白さを伝えるブログを続けています。前回は「数学とゲーム」について書きましたが、今回はそれに関連する「数学とパズル」というテーマについて考えてみたいと思います。 先日、孫が小学校から持ち帰った「頭の体操」というプリントを見せてくれました。そこには「タングラム」という7つのピースを使って様々な形を作るパズルが載っていました。「おじいちゃん、これ難しいよ!」という彼に、一緒に考えながら形を完成させていくうちに、ふと気づきました。これは単なる遊びではなく、幾何学的思考力を養う優れた教材でもあるのです。 実は、パズルと数学は切っても切れない関係にあります。論理パズル、図形パズル、数字パズル、言葉パズル、立体パズル…様々な種類のパズルのほとんどすべてが、何らかの数学的原理に基づいています。そして、それらを解く過程で、私たちは楽しみながら数学的思考力を鍛えているのです。 今回は、この「数学とパズル」の深い関係について探っていきましょう。遊びの中に秘められた数学の奥深さを知ることで、日常のパズルをより楽しむヒントが見つかるかもしれません。また、特に私たち高齢者にとって、パズルが脳の健康維持にいかに役立つかについても考えてみたいと思います。 第1章:数字パズルと数論 ナンプレと制約充足問題 数独(ナンプレ)は今や世界中で愛されるパズルですが、その背後には深い数学があります。 ナンプレは「制約充足問題...

矢次真也の数学コラム:数学とゲーム~遊びの中に潜む数理の深さ

矢次真也の数学コラム:数学とゲーム~遊びの中に潜む数理の深さ 矢次真也の数学コラム:数学とゲーム~遊びの中に潜む数理の深さ 📊 チェスや囲碁からビデオゲームまで、様々なゲームの背後には深い数学的原理がある 🧮 ゲーム理論、確率論、組合せ論などの数学分野はゲームの分析と戦略開発に直結している 🔍 数学的なゲームは高齢者の認知機能維持に効果的で、脳トレとしても最適な娯楽である はじめに こんにちは、矢次真也です。65歳で定年退職後、数学の面白さを伝えるブログを続けています。前回は「数学と建築」について書きましたが、今回は「数学とゲーム」という、娯楽と思考が交わる興味深いテーマについて考えてみたいと思います。 先日、孫と将棋で対戦した時のこと。彼は最近学校の将棋クラブに入ったばかりで、駒の動かし方を教えながら簡単な対局をしていました。ふと「おじいちゃん、将棋って数学と関係あるの?」と質問されて、「実はゲームと数学は切っても切れない関係なんだよ」と答えたところ、彼は不思議そうな顔をしていました。 実際、チェス、将棋、囲碁などの古典的なボードゲームから、現代のビデオゲームに至るまで、ほとんどすべてのゲームは数学的な基盤の上に成り立っています。戦略の立案、確率の計算、パターン認識など、ゲームでの勝利に必要なスキルの多くは、本質的に数学的な思考なのです。 今回は、この「数学とゲーム」の深い関係について探っていきましょう。遊びの中に潜む数理の深さを知ることで、ゲームをより楽しむヒントが見つかるかもしれません。また、高齢者の認知機能維持におけるゲームの効果についても考えてみたいと思います。 第1章:古典的ボードゲームと数学 チェスと組合せ爆発 チェスは「考えるゲーム」の代表格ですが、その複雑さは数学的に説明できます。 チェスの可能な局面数は約10の120乗と言われています。これは宇宙の原子の数(約10の80乗)よりも遥かに多い数です。こ...

矢次真也の数学コラム:数学と建築~私たちの住まいと都市を形作る数理

矢次真也の数学コラム:数学と建築~私たちの住まいと都市を形作る数理 矢次真也の数学コラム:数学と建築~私たちの住まいと都市を形作る数理 📊 古代から現代まで、建築は比率や幾何学など数学的原理に深く支えられてきた 🧮 モジュール、構造力学、パラメトリックデザインなど、建築と数学の関係は時代とともに進化している 🔍 高齢者の視点から見ると、数学的設計の建築空間は記憶に残り、認知機能にも良い影響を与える はじめに こんにちは、矢次真也です。65歳で定年退職後、数学の面白さを伝えるブログを続けています。前回は「数学と美術」について書きましたが、今回は「数学と建築」という、私たちの日常生活に最も身近な数学応用の一つについて考えてみたいと思います。 先日、孫と一緒に東京駅を訪れる機会がありました。赤レンガの重厚な駅舎を見上げながら、孫は「この建物、どうやって設計したのかな?」と質問してきました。「実はね、こういう建物には複雑な数学が使われているんだよ」と説明すると、彼は興味深そうに建物の様々な部分に目を凝らし始めました。 実は建築と数学は、人類の歴史の始まりから密接に関わってきました。ピラミッド、パルテノン神殿、ゴシック様式の大聖堂、近代の超高層ビル、そして現代の曲線美を誇るミュージアムや競技場に至るまで、建築の歴史は数学の応用の歴史でもあるのです。建築家は常に数学を活用して、美しく、機能的で、そして何より安全な構造物を設計してきました。 今回は、この「数学と建築」の深い関係について探っていきましょう。数学的視点から建物や都市を眺めると、日常の風景が全く新しい姿で見えてくるかもしれません。そして、そのような見方が私たち高齢者の空間認識や記憶にどのような影響を与えるかについても考えてみたいと思います。 第1章:古代建築と比率の数学 ピラミッドと古代エジプトの数学 古代建築の象徴であるエジプトのピラミッドは、驚くべき数学的精度で建設されています。 ...

矢次真也の数学コラム:数学と美術~視覚表現に潜む数学の美

  矢次真也の数学コラム:数学と美術~視覚表現に潜む数学の美 矢次真也の数学コラム:数学と美術~視覚表現に潜む数学の美 📊 古代から現代まで、美術作品には黄金比や遠近法など数学的原理が活用されてきた 🧮 フラクタル、対称性、トポロジーなど現代数学の概念は芸術表現に新たな可能性をもたらした 🔍 視覚芸術を数学的視点で鑑賞することで、高齢者の脳活性化と芸術理解が深まる はじめに こんにちは、矢次真也です。65歳で定年退職後、数学の面白さを伝えるブログを続けています。前回は「暗号と数学」について書きましたが、今回は「数学と美術」という、感性と論理が交わる魅力的なテーマについて考えてみたいと思います。 先日、孫と地元の美術館に出かけたときのこと。彼は抽象画の前で首をかしげながら「これって何が描いてあるの?」と質問してきました。その絵はモンドリアンの作品で、縦横の直線と原色の長方形だけで構成された幾何学的なものでした。「これは、美しさを数学的に表現しようとした画家の作品なんだよ」と説明すると、彼は不思議そうな顔をしていました。 実は美術と数学は、古代から密接な関係にあります。遠近法、黄金比、対称性、パターン、フラクタル…。これらはすべて、数学的概念でありながら、美術表現の重要な要素でもあるのです。名画の中に数学的秩序を見出すことは、理系の私にとって美術を楽しむ特別な方法の一つになっています。 今回は、この「数学と美術」の深い関係について探っていきましょう。数学的視点から美術を鑑賞することで、作品の新たな側面が見えてくるかもしれません。そして、そのような見方が私たち高齢者の脳の活性化にもつながる可能性についても考えてみたいと思います。 第1章:美術における比率と黄金比 黄金比の不思議と魅力 美術史を通じて最も有名な数学的概念の一つが「黄金比」です。 黄金比(約1:1.618)は古代ギリシャ時代から知られており、特に美しいと...